職場でも学校でも、お昼のお弁当は楽しみですね。これがハイキングや遠足ならなおさらです。そこでおばあちゃんが伝える食中毒を予防し、お弁当をおいしくつくる知恵をご紹介します。
−目次−
1
お弁当は手早く冷まして食中毒予防
2
汁漏れ防止〜麩をおかずのそばに添える
3
おむすびをおいしくにぎるには
4
我が国の昔からのお弁当箱
5
コロッケを揚げる際はまず冷蔵庫で冷やしておく
6
上手な唐揚げのコツはビニール袋を使う
7
いなりずしの油揚げは掌で叩く
【1】お弁当は手早く冷まして食中毒予防
食中毒を引き起こす細菌が活発になる温度は30度から40度にかけて。そこでこの温度までお弁当を冷ましてから、ふたをするようにしましょう。手早く冷ますには、下記の方法があります。
(1)金属トレイなどをあらかじめ凍らせておいて、そのうえにお弁当箱を置きます。
(2)保冷剤の上にお弁当箱を置く。さらに弁当箱のふたの上にも保冷剤を置いておく。その際、ふたは少しずらしておけば、ご飯などの中身が早く冷めていきます。
(3)時間がない時は弁当箱を冷凍庫の中に入れて、さらにその下にアルミホイルを敷いて冷ましましょう。ただしまわりの冷凍食品が熱の影響を受けるため、あまりよい方法ではありません。
【2】汁漏れ防止〜麩をおかずのそばに添える
煮物などの汁気がほかのおかずに流れないようにするために、麩を横に添えておきましょう。麩が水分を吸収してくれて、麩そのものもおいしくなります。暑い時期は汁もれは食中毒の原因にも。
【3】おむすびをおいしくにぎるには
・掌を湯でぬらす
掌をお湯でぬらして、炊き立てのご飯を握ります。スピードは手早く。その際、表面はしっかり握るものの、内側はふっくらするように、形を整えましょう。酢や梅酢をつけて握れば、保存効果も高まります。
・力をこめない
ご飯粒をつぶすように、ぎゅっと握りしめるのはNGです。ごはんの粒と粒の間に適度な空間があるように、形を崩さずに外側を固めましょう。それには掌で小さく放りながらリズミカルに握るのがコツです。
・おにぎりの形
1三角形
片手(写真は上の手)をへの字にして、三角形になるようにおにぎりのツノをつくります。
2丸型
掌と指で包むようにして丸く形をまとめますが、球ではなく表面は平たくして、円形のおむすびにします。
3たわら形
お弁当箱に収まりやすい形のおにぎりです。ご飯を握ったら、上下を掌で包んで、くるくる回すようにして握ります。
・お湯を使うとおにぎりは長持ち
水で手を湿らせて握ったおにぎりは、べたついた仕上がりになることが。でもお湯で握ると、水分の少ない、しまったおにぎりになりますよ。またお湯だと雑菌が少ないので、水よりも長持ちします。お弁当箱も下記に記した竹皮だと殺菌力があり、また蒸れないので衛生的です。
【4】我が国の昔からのお弁当箱
我が国に伝わる、竹の皮や木の皮、板で作られた弁当箱には、殺菌作用や通気性、水分の除去など、それぞれにいろいろな特性があります。またなにより自然素材ゆえの香りのよさが、食欲をそそるのです。
1竹皮
竹皮には食中毒を防ぐ殺菌作用が。昔の旅人は、お弁当はこの保存性が高い竹皮に包んで持参したといわれてい
ます。
2まげわっぱ
まげわっぱは木の薄板をまげて作られますが、木の肌が余分な水分を吸収する働きがあるため、食品の保存性が高いのです。
3あじろあみ
あじろあみは竹や木の皮であんだ伝統的な弁当箱です。網目から空気が出入りするため通気性がよく、中が蒸れないため、食品の保存性もよいのです。
【5】コロッケを揚げる際はまず冷蔵庫で冷やしておく
コロッケはジャガイモをつぶして、炒めたタマネギやひき肉と混ぜ合わせますが、その際ジャガイモが冷えていると調理がやりにくいので、まだ温かいうちに行います。しかしこの中身があたたかいままで揚げてしまうと、破裂してしまいます。いったん冷蔵庫に入れて冷やしてから、180度の油でサッと揚げましょう。
【6】上手な唐揚げのコツはビニール袋を使う
唐揚げ粉を鶏肉にまんべんなくつけることができると、おいしい唐揚げが出来上がります。一番簡単な方法は、小麦粉かかたくり粉をビニール袋へ入れておいて、それから下味をつけた鶏肉を袋の中に入れます。ビニール袋の口しっかりもって振ると、粉が全体にまぶされます。手も汚れず、後片付けも簡単です。
【7】いなりずしの油揚げは掌で叩く
いなりずしを作る際は、油揚げを上手に開いて、中にご飯や具を詰め込みます。中にはこの油揚げを開くのが難しいという人も。オーソドックスなやり方は、まな板に油揚げを置いたら、上からすりこぎなどを転がします。すると油揚げの空気が抜けて、くっついていた部分が開くのです。すりこぎなどがなければ、油揚げを二つに切ったら、掌でポンポンと叩いても中の空気が抜けますよ。