■おなかをこわした時の
おばあちゃんの知恵袋
-目次-
【1】下痢の原因とは
(1)
暴飲暴食・大酒・冷たい飲み物
(2)
ストレス
(3)
食中毒
【2】下痢の手当
(1)
下痢に梅干
(2)
りんごのすりおろし
(3)
ハチミツ茶
(4)
即席煮りんご
(5)
ショウガとペパーミントのジュース
(6)
落花生の酢漬け
(7)
生卵入り緑茶
(8)
軽い下痢には木炭か卵の殻
(9)
下痢になりやすいお腹にシソの葉
(10)
クリの花
【1】下痢の原因とは
(1)暴飲暴食・大酒・冷たい飲み物
突然の下痢、いわゆる急性の症状で一番多いのが、暴飲暴食によるものです。過食した食物が腸で十分消化できないために起こります。またお酒の飲みすぎや冷たい飲み物も大腸のぜんどう運動を刺激しすぎて、腸が消化物の水分を吸収できなくなるために、軟便や下痢症状に。
(2)ストレス
最近多いのがストレスにより、自律神経が不安定になって、腸の過剰な活動から下痢になるという症状です。会議でプレゼンしなければならない緊張から、通勤電車内で便意を催して途中下車するというケースが増えているといいます。いわゆる「過敏性腸症候群」と呼ばれるもので、病院の検査を受けても異常なしという診断が下されます。この症状は下痢と便秘を交互に繰り返すのが特徴です。
(3)食中毒
食中毒による下痢は、腸が体を守るために引き起こします。O-157やノロウイルスが体内に侵入すると、こうした菌やウイルスを、腸が水分と一緒に外へ排出しようとするのです。ですから食中毒の時に下痢止めを使うと、菌やウイルスが体内に滞留するため、かえって体を壊すことに。医師にすぐに診てもらうとともに、慎重な判断を患者側でも行わなければなりません。
【2】下痢の手当
(1)下痢に梅干
下痢や食中毒に対して、梅干のもつ殺菌力は特筆ものです。今のようなよい薬がない時代では、梅干が疫病の薬として、用いられていたことがありました。
その当時、梅干は赤痢や疫痢など、人の命を奪う病と闘う、唯一の武器だったのです。そしてその効果は高く、
そのため、朝梅干を食べると、一日の難(病)からまぬがれる、という意味で、「梅はその日の難逃れ」という諺にも残るようになりました。
梅干の持つ酸と塩の抗菌作用や、クエン酸やリンゴ酸の働きで、梅干は下痢などの時に、頼もしい力を発揮してくれます。
(2)りんごのすりおろし
お腹をくだしたときは、りんごのすりおろしを、ゆっくり噛むようにして、食べてごらんなさい。すりおろしたりんごは消化吸収がよく、お腹を優しく元気づけてくれますよ。というのも、リンゴには腸の働きを調整する、食物繊維のペクチンが豊富に含まれていて、お腹の働きを回復してくれるのです。ペクチンはリンゴの果肉よりも、皮のほうに多く含まれていますから、食べる時は、皮ごとすりおろすようにしましょう。ペクチンの働きで、腸内細菌の善玉菌が活性化。ビフィズス菌や乳酸菌が、弱った腸を元気にしてくれます。またペクチンは弱った胃を、やさしく整える作用も。下痢の時は消化の良いすりおろしたりんご、と覚えていてね。。
(3)ハチミツ茶
緑茶とハチミツでつくるハチミツ茶には、ゆるくなったおなかを、正常に戻す働きがあります。緑茶にはタンニンという成分が含まれていますが、タンニンには便を硬くする作用があるのです。またハチミツには、腸の善玉菌が好むオリゴ糖や、整腸作用のあるグルコン酸が豊富。下痢の時には、ハチミツは、意外な力を発揮してくれます。
・ハチミツ茶の作り方
ハチミツ茶の作り方は簡単です。湯のみにいれた緑茶の中に、スプーン1杯のハチミツを、混ぜるだけです。ゆっくりかき混ぜて、熱いうちに頂きます。
(4)即席煮りんご
「りんごのすりおろし」のところでも述べましたが、りんごはトラブルが起こったお腹を癒す成分が豊富。腸内細菌の善玉菌を励まし、活性化する食物繊維のペクチンやカリウムが、お腹を元に戻してくれます。電子レンジで簡単にできる「煮りんご」は食べやすく、消化がよい、おやつとしてもおいしいお腹のお手当食です。
・作り方
りんごは一口サイズに切ります。ラップをしたら、500wのお電子レンジで2分ほど加熱してください。腸に良いはちみつを上からかけると、さらにお腹に良い滋養食に。
(5)ショウガとペパーミントのジュース
腸をリラックスさせて、過剰な活動を抑制するとともに、消化を促進させるジュースです。
作り方
①スライスしたショウガ5ミリをペパーミントかスペアミント(ひとつかみの半量)に包んでジューサーに。
②つぎにフェンネル1/2と適当な大きさに切ったリンゴ2個をジューサーに入れます。
③出来上がったジュースを頂きます。
(6)落花生の酢漬け
落花生の酢漬けは、中国では胃腸の食養生に用いられているとのこと。下痢だけではなく便秘にも。カラを取り除いた生の落花生の実200gを広口瓶に入れて、純米酢をひたひたに注ぎます。ふたを閉めて冷蔵庫に保管しますが、保管中に酢の量が減ったら足してください。1週間で食べられる状態に。1日10粒を目安に食後に食べましょう。あとは冷暗所へ保管し、酢が濁ってきたら新しい酢と入れ替えます。一カ月から三か月は食べ続けましょう。
(7)生卵入り緑茶
お茶に含まれるタンニンには胃腸を収れんさせる働きがあるため、下痢の時は濃い目のお茶を飲みましょう。またこの熱くいれた濃いお茶の中に生卵を入れても。浮いてくる白いカスが下痢に効く、とは昔の人の伝える話です。お茶は番茶にするとカフェインも少なく、腸への刺激がありません。
(8)軽い下痢には木炭か卵の殻
・木炭
軽い下痢なら、昔から伝わる木炭を飲むとよいでしょう。木炭をミルやフードプロセッサなどで砕いてパウダーにして、ティースプーン半分ほどをお湯で飲みます。
・卵の殻
卵の殻には卵殻カルシウムというものを含み、骨粗しょう症の予防に役立っていますが、この成分には整腸作用もあるのです。
①卵の殻10個分をよく洗ってホーロー鍋か土鍋、油をふき取ったフライパンなどで「から炒り」して、きつね色になるまで殺菌します。
②きつね色になった卵殻をフードプロセッサかミルで粉末にします。
③これをティースプーンに1杯、1日3回お湯で飲みます。
(9)下痢になりやすいお腹にシソの葉
冷たいものを口にすると下痢をしたり、特に理由もないのにお腹が下ってしまう人は、胃腸が弱い傾向があります。シソの葉を食べましょう。シソには殺菌・解毒の効力があり、胃腸の働きも活発にします。生葉を食べてもよし、陰干しして乾燥させた葉をミルかすり鉢で粉末にして、塩といっしょにご飯にかけて食べてもOKです。赤ジソを粉末にした「ゆかり」でも、本来のものなら効果がありますよ。
(10)クリの花
6月ごろ、クリは甘い香りの花をつけます。穂状に垂れ下がっている淡黄色の花10ℊを、500㏄の水が半量になるまで煎じます。火加減は沸騰するまで強火、沸騰後は弱火で。採集する時余分にとって、使わない分を陰干ししておけば保存でき、下痢の時に使用できます。煎じ方は生花と同じです。