心身に強い疲れを覚えているときは、筋肉も内臓もぎゅーっと緊張しています。これでは肺も横隔膜もなかなか動かず、浅い呼吸の状態です。全身の酸素も不足気味。血液が全身に流れにくいため、体にたまった疲労物質が流れていきません。のみならずストレスが心身にたまって、免疫力や自然治癒力が低下していることも。そこで意識的に大きく深い呼吸をすることで血流は促進し、心身の緊張がゆるみ、酸素を全身へ送り込み疲れをスッと抜くことができるのです。免疫をアップしたい方は、腹式呼吸は必須です。
【1】通常の腹式呼吸の方法
(1)まず口から息を吐き切ります。
(2)次におなかの中へ
息を吸い込みます。
(3)吸い込んだら
からだ中の邪気を
口から吐き出すように、
息を吐き切ります。
(4)(2)に戻って
これを10分間繰り返します。
【2】呼吸が浅くて全身がだるいとき
呼吸が浅くて全身がだるく、夜眠れない状態の時の呼吸法です。呼吸が浅い時は、実は息を吸い込む力よりも、吐き出す力に問題がある場合が多いのです。息を充分に吐きだすことができれば、自動的に深く息を吸い込むことができて、呼吸は楽になっていきます。するとイライラが収まり、夜眠ることができるようになります。下記に紹介した呼吸法は、息を吐き続けて最後に息を吸うことで、浅い呼吸を深い呼吸に矯正していく呼吸法です。
・息を吐きつづける呼吸法
(1)みぞおちに手を当てて、ゆっくり押しながら息を吐き出します。その際、口をすぼめて、ローソクの火を消すように10秒間息を吐いていきます。吐くにつれて、状態を前かがみにしていけばより効果的です。
(2)10秒間吐いた後で苦しくなった人は、ここで息を吸って下さい。まだ大丈夫な人は、10秒吐いた後に息を瞬間止めます。
(3)すぐに息を5秒間吐きます。
(4)5秒間吐いて、苦しくなった人はここで息を吸って下さい。まだ大丈夫な方は息を瞬間止めて、すぐに3秒間息を吐き出します。
(5)はい、息を吸います。
以上を5回行います。息を吐き切って吸い込むと、深い息ができて、自然に腹式呼吸になります。
★注意
・苦しくなったらすぐにやめて息を吸うこと。絶対に無理はしないこと。
【3】神経鎮静化の呼吸法
心がなんだか落ち着かない。人生のリズムがくるっているようだと感じた時に行う呼吸法です。この呼吸法で心を落ち着けて、神経を安定させ、心身をリラックスさせましょう。【1】の腹式呼吸の方法か【2】の呼吸法を行って、心を落ち着けた後で、この呼吸法を行います。
・やり方
(1)息を口から静かに吐きます。
(2)吐き切ったら自然な状態で息を吸います。
(3)息を吸い込んだら自然に任せて息を吐きます。
(4)息に意識をむけず、自然な流れに任せて呼吸を続けます。
(5)心の中で樹木がそよ風にゆっくり心地よく揺らぐ様をイメージします。樹木の揺れの心地よさに意識を集中して、呼吸を続けましょう。呼吸も心もイメージも、自然な流れに任せます。
(6)最初は5分間から始めてください。