【1】空気の流れをふさがない
カビは室温が20度から30度、湿度が70%から80%になると発生するといわれています。高温多湿の日本の気候は、まさにカビ好みの風土です。その対策として昔の日本の家屋は、室内には風の通り道が確保された設計になっていました。しかし快適な住環境を求めた高断熱、高気密の現代住宅は、逆に湿気が生じやすく、カビが発生する作りになってしまいました。その対策として換気に十分注意することが求められています。
1通気口をふさがない
マンションの壁の通気口を、うっかり家具でふさいでいませんか? 通気口がふさがれると、空気の流れが滞ってしまい、部屋全体がしっけてカビ発生の大きな原因に。通気口をふさがないように、家具の位置には十分注意してください。
2家具と壁との間を15センチあける
カビ防止は、通気をよくすることに尽きます。特に家具と壁との間に隙間がなくなると、家具の裏側の空気が停滞して湿気が生じ、カビが生えてしまいます。家具と壁の間は、15センチ離しましょう。15センチは最も効果的な通気距離だといわれています。
3冷蔵庫は、横は1cm・上は5cmほど、最低でもあける
熱を放射する冷蔵庫は、まわりに湿気を生みだします。特に冷蔵庫の横にぴったり食器棚を置いたり、背後の壁との間の隙間がなかったりすると、空気の流れが遮断されてカビの温床に。冷蔵庫は安全上の隙間として側面は最低でも5ミリはあけるようにとは、メーカーの説明ですが、カビ防止で考えると、横は1センチは欲しいもの。また天井との隙間は、最低でも5センチはあけましょう。
4押し入れはあけておく
湿気がこもりがちな押し入れは、カビ防止のためにも、ふすまを開け放して、湿った空気を外に出しましょう。これだけで押し入れのカビの発生を抑えることができます。また新聞紙や段ボールの吸湿力を利用する手も。布団の下や布団が接する押し入れの壁との間に、新聞紙や段ボールをはさんでおけば、よい湿気取りになりますよ。
【2】炭の力を借りる
炭にはたくさんの小さな孔があいていて、そこへ湿気を吸着します。湿気やすい場所へ、手ぬぐいなどで炭を数本縛り置いておきましょう。見た目もちょっとおしゃれですよ。また炭は置いてから二カ月くらいから、孔がふさがって吸湿パワーが落ちてきますが、よく水洗いして日に干せば、何度でも繰り返し使えます。
(注意)
キッチンにバスルーム、トイレなど、水をよく使う部屋が特に家ではカビやすいところです。また押し入れや靴箱、タンスや家具と壁の隙間なども、カビが繁殖するエリア。こうしたところは炭や除湿剤などを置いておきましょう。
【3】粉せっけん
洗濯用洗剤の粉せっけんはよく湿気を吸い取ってくれます。ふたを開けて押し入れや靴箱に置いておきましょう。衛生的な香りが漂います。
【4】重曹
重曹も湿気をよく吸収する素材です。かわいいお菓子のカップなどに入れて、湿気がこもるキッチンやトイレに置いておきましょう。
【5】洗濯機のカビは
湿度が高い洗濯機の内部は、カビが最も好む環境です。殺菌力のある酢を使って、カビ取りをしましょう。洗濯機を定水位にセットします。カップ1の酢を注いで、標準コースで回します。二カ月に一回は行いましょう。洗濯機を使わないときは、空気を入れるためにふたは閉めないでおくこと。
・洗濯ネットに10円玉を入れて洗う方法も。銅イオンの効果で、カビが予防するといわれています。
【6】エアコンのカビは
冷房を使用したら、送風運転をしましょう。エアコン内の湿度を下げられるのです。6時間使ったら2時間は送風運転するのがよいといわれています。
【7】ばんそうこうで壁紙のカビ取り
壁紙にカビが生えてしまったら、指や布でこすり落すことは禁物です。壁紙が傷ついてしまうことに。こういう場合は、ばんそうこうを裏返しにして、指に巻き付けて、シールの部分でカビを軽くたたいて、とっていきましょう。とったあとは消毒用エタノールでアフターケア。エタノール1に対して水4の割合のものをスプレーボトルにいれて、壁に吹き付けて防止対策をしておきましょう。
【8】冬のカビ対策
カビは梅雨時だけではありません。冬季も油断大敵です。暖房が窓に結露を作るため、室内にカビが発生しやすいのです。結露が窓下に溜まったら、パッキンや窓下の床、すぐそばのカーテンにはカビが生じます。冬のカビ防止策は、結露対策といっていいでしょう。結露ができたらこまめに拭き取る、これが鉄則です。また窓からカーテンは5センチ以上の空間をつくっておければ理想的。部屋の細かいゴミやほこりはカビ繁殖のエサになります。部屋の掃除にも気を配りましょう。とはいえ、あまり神経質になるのも考えもの。うっかりカビが発生してしまったら、消毒用エタノールでとることが。消毒用エタノールは消毒・殺菌に効果的なアルコール濃度で、ティッシュなどに液を含ませてカビを拭きとるだけOK。アルコールを直接カビに向けて噴霧すると、胞子がまわりに飛び散ってしまうので逆効果です。こうした気配り目配りで、冬のカビを防止しましょう。