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春の衣替えのおばあちゃんの知恵袋

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〒879-1505大分県速見郡日出町
川崎1612番地1

春の衣替え

衣替えは、平安時代の宮中行事の「更衣」が起源となる、我が国の古い習わしです。当時は旧暦の四月一日と十月一日に夏装束、冬装束に着替えていました。その後江戸時代には年四回と衣替えが増えましたが、明治になって六月一日と十月一日の年二回に。今でも官公庁や銀行はこの例にならっているようです。

衣替えのイラスト

(1)しまい洗い
春の衣替えをする時期は、気温が15度以上の日が何日か続き始めるということを目安にしましょう。この温度以上となると、衣類を食べる害虫が動き始めて、衣類に産卵を始めるからです。卵を産み付けられたまま衣類をしまってしまうと、それこそ衣類は虫食い状態となって、来冬は泣くはめに。ウールや絹などは害虫は目がなく、化学繊維は本来好まなくても、食べ物の汁がついていたり、汗や皮脂で汚れていたらかじられます。そこで昔から衣類をしまう前に「しまい洗い」を行うのです。「しまい洗い」とは、収納前に洗濯したり、クリーニングにだすなどして、害虫の卵を洗って、衣類をきれいな状態にすることです。これは黄ばみやシミ落としなど、衣服の劣化をおさえる目的もあります。また「しまい洗い」後の収納時は、害虫は湿度を好むため、自宅で洗濯した場合はよく乾かしておくことが大切です。また防虫剤を添えることもお忘れなく。収納後は定期的にタンスやクローゼットの通気を心がけて、湿気防止に心がければ、害虫の被害は食い止められて、またカビの防止にもなりますよ。


(2)防虫剤の置き方


・防虫剤の置き方
冬物を収納する際は、害虫と湿気への気配りが不可欠です。まずは害虫対策から。防虫剤を使う時は、防虫剤の成分が空気より重いため、タンスやクローゼットに置くときは、上部へ配置します。たんすの引き出しではセーターなどの衣類の上に。こうすることで成分が無駄なく上から下へと下りていき、衣類全体にまわることに。また複数個使う場合は、絶対に多種類の防虫剤は使わないこと。化学反応を起こして危険です。また配列は等間隔にします。

・防虫剤の臭い
タンスから出したばかりの春服には防虫剤の臭いが。こういう時はドライヤーの風を当てると効果的です。ただしウールの場合は生地が傷む恐れがあるので冷風を使うこと。

・樟脳について
樟脳(しょうのう)は江戸時代から伝わる防虫剤です。原料はクスノキから抽出された天然成分。メントールのような涼やかな香りを、昔ながらのタンスの臭いとして思い出す人も。アレルギーの方にも刺激が穏やかなのでお奨めです。トイレや靴入れなどに、芳香剤として使う方法も。化学系の防虫剤が全盛の昨今、環境にやさしいおばあちゃんの知恵の防虫剤「樟脳」を、一度試してみてはいかがでしょうか。

・除湿剤の置き方
カビの元となる湿った空気は、下の方へ溜まっていきます。ですから除湿剤はタンスやクローゼットの上部よりも下部へ四隅に置く方が無駄なく効果的です。タンスの引き出しの中では、衣類の一番下の四隅に配置しましょう。


(3)冬服のしまい方



湿気の少ない天袋や押し入れの上段などには、湿気に弱いデリケートな衣類(シルク、カシミヤなどの毛織物、大切なおしゃれ着)を保管します。一方ポリエステル類をはじめとする化学繊維や虫や湿気に弱いウールなどは中断に、綿や麻などの比較的に湿気に強いものはタンス下部にしまいます。また除湿効果を高めるために、引き出しの底に吸湿力が高い新聞紙を敷けば、さらに安心です。

・飾りボタンに注意
クリーニングに出す前に、飾りボタンは外しておきましょう。有機溶剤により飾りが取れたり、光沢が失われる場合があります。


(4)春服のしわ
しまっている間に衣類にしわがついてしまった場合は、お湯に当てると繊維のしわが消えます。浴槽に張ったお湯の上に衣類をひと晩吊るしておけばOKです。