庭で大切に育てた花を室内に飾ったものの、すぐにしおれてしまうことがあります。花を愛する人にとっては、これは少し残念な出来事と言えるでしょう。たとえ花瓶に水を用意していても、花が十分に水を吸収できない場合、葉からの水分蒸散によって水不足となり、結果的に枯れてしまうことがあります。
こうした問題を軽減し、切り花を長持ちさせるためのポイントとして役立つのが「水切り」という方法です。この方法では、茎の端を水中で斜めに切る作業を行います。空気中で切ってしまうと切り口から空気が入り込み、気泡が生じて水分吸収を妨げる原因になります。一方、水の中で切ることで空気の侵入を防ぎ、さらに斜めに切ることによって吸水面積を広げることができます。その結果、花が吸収できる水の量が増加します。
さらに、茎内部には水を運ぶ道管があり、それをつぶさないようにスパッときれいに切ることも重要です。春の暖かな陽気の中で咲き誇る美しい花々。その命を少しでも長く楽しむために、丁寧なケアと工夫を心がけたいものです。