美肌づくりは、市販のローションでなければ不可能、というわけではありません。身近な植物の成分を使って、市販の化粧品以上の効果をもつローションを手づくりすることも可能です。ここでは昔から伝わる、そうした手づくりローションをご紹介します。なお使用前に必ずパッチテストを行って下さいね。
          
          -目次-
          1
肌の新陳代謝を促すドクダミの花ローション
          2
保湿力抜群のアロエローション
          3
毛穴を引き締めるスギナローション
          4
にきびや乾燥肌によい枇杷の葉ローション
          5
すべすべ肌をつくる天然へちま水
          
          【1】肌の新陳代謝を促すドクダミの花ローション
          
          
          ドクダミの花だけで作るローションです。ドクダミの花には肌の新陳代謝を高める効果が高いことがよく知られています。また炎症をおさえる働きで、にきびやおできなどの治癒にも昔から使われています。葉は
ドクダミ茶として用います
          
          -作り方-
          (1)5月から6月にかけてどくだみの花が咲きます。この花を摘みましょう。花粉には美容成分がいっぱい含まれているため、洗わずに用います。摘むのは雨降りの翌日の朝がお奨め。雨が花の汚れやほこりを落としてくれているからです。
          
          (2)ビンの1/3までドクダミの花を入れます。あとは20度のホワイトリカーをいっぱいに注いで、冷暗所に保管します。
          
          (3)3カ月たったら使えます。
          
          
          【2】保湿力抜群のアロエローション
          
          
          アロエローションの特長は保湿力。独特の粘液性の成分が素肌の上に膜をこしらえ、乾燥から守ります。また日焼けなどでダメージを負った肌のケアにも最適です。
          
          -作り方-
          (1)20センチ程度のアロエベラ、またはキダチアロエをよく洗って、両側のとげを落として輪切りにします。
          (2)ビンに輪切りにしたアロエと精製水(またはミネラルウォーター)50㏄を入れて混ぜ合わせると完成です。
          
          (3)アルコールも防腐剤も使ってない、水だけのローションです。冷蔵庫に保管して4日以内に使い切りましょう。
          
          
          
【3】毛穴を引き締めるスギナローション
          
          
          すぎなは道端で見かけるとても身近な野草です。カルシウムがホウレンソウの300倍以上もあるとかで、収れん性にすぐれています。毛穴を引きしめてすきっとした肌にしたい方にお奨めです。湿疹などの肌のトラブルに用いても。
          
          -作り方-
          (1)すぎな100ℊを水洗いして陰干しします。
          
          (2)ビンにスギナを入れ、20度のホワイトリカー720㏄を注ぎます。保管は冷暗所で。
          
          (3)3か月たったら使えます。
          
          
          
【4】にきびや乾燥肌によい枇杷の葉ローション
          
          
          枇杷の葉は痛みどめや疲労回復、炎症をおさえるなど「薬草の王」といわれるほどの高くて広い効力を誇ります。この枇杷の葉で作ったローションは、にきびや乾燥肌に効果があるといわれています。
          
          -作り方-
          (1)枇杷の葉の白い毛をたわしで洗いながら落とします。天日干しして水分を乾かします。枇杷の葉の量は約150g。
          
          (2)乾燥した枇杷の葉を1センチ程度の大きさにハサミで切ります。
          
          (3)葉をビンに入れたら20度のホワイトリカー1.8ℓを注ぎます。
          
          (4)冷暗所に保管して約三か月後から使えます。
          
          
          
【5】すべすべ肌をつくる天然へちま水
          
          ヘチマ水は室町時代から使われてきたという、我が国の古い化粧水です。植物のへちまのつるを切った切り口からとれる液を化粧水とします。サポニンやアミノ酸、カリウムやペクチンなどの有効成分を含み、キメの細かいすべすべ肌を作ったり、しっとりとした保湿効果、抗炎症作用でにきびの改善、皮膚の老化や肌荒れ、あかぎれに効きます。また咳止めやたん切りの民間薬としても用いられていました。旧暦8月15日の満月の日に採ったものがいいという、言い伝えも残っています。
          
          -作り方-
          (1)実が完熟した秋のへちまをつかいます。選んだへちまのつる(1本)を、根元から30センチ程度のところで切ります。
          
          (2)切り口を、よく熱湯消毒した清潔なビンの口に差します。その際、液がよく出るように、切り口は下になるように向けます。
          
          
          (3)外からゴミなどが入らないように、差し込んだつるの切り口と瓶の口との間のすきまを、脱脂綿などを詰めて埋めます。
          
          (4)一本のつるから、ひと晩で500㏄から2ℓ程度のへちま水がとれます。
          
          (5)キッチンペーパーやガーゼなどでこして、ほこりやごみ、不純物をとりのぞきます。
          
          (6)最後は鍋に入れて2分ほど煮沸殺菌すれば完成です。
          
          (7)出来上がったへちま水は小分けするなどして冷蔵庫で保存します。防腐剤を使ってないので、早めに使い切ります。保存中白濁しても、これは成分のペクチンによるもの。へちま水が腐敗したり、肌を刺激するときは、使用を中止します。