−目 次 −
【1】野菜・果物
1
水からゆでる野菜と、お湯でゆでる野菜
2
サトイモのむき方、煮崩れの防ぎ方
3
キャベツをシャキシャキに切る方法
4
ジャガイモの皮をつるりとむく方法
5
こんにゃくの味をしみさせるには
6
涙なしでタマネギを切るには
7
タケノコをおいしく料理
8
輸入のかんきつ類のワックスは塩で落とす
9
アルミホイルでごぼうの皮むき
10
セロリの筋をとる
11
アスパラガスはピーラーで皮をむく
12
長いもの皮むき
13
もみほぐしてパセリをみじん切り
14
湯むきトマトの作り方
15
おろし大根をおいしく
16
色鮮やかにとうもろこしをゆでるには
17
れんこんのアク抜き
18
サツマイモのアク抜き
19
かぼちゃは砂糖で下ごしらえ
20
しおれたレタスは50度のお湯で復活
【2】魚
1
魚のうろことりに大根
2
イカの皮むきに野菜ネットまたは酢
3
アサリの砂抜きは塩水にアサリをつける
4
湯引き
5
振り塩
6
塩抜き
7
解凍
【3】肉・卵
1
たたいて肉を柔らかく
2
硬い肉にはサラダオイル
3
硬い肉は果物につけこんでも
4
筋切り
5
長時間煮込む
6
砂糖を加えて煮込む
7
出がらしのお茶でレバーの臭みとり
8
うずら卵の殻むきは空き瓶を使う
【4】乾物
1
干ししいたけを砂糖水で戻すと早く戻る
2
春雨はぬるま湯で戻せば簡単に切れます
3
乾物の戻し汁をだしに利用する
4
つきたてのお餅が包丁にくっつかない切り方
5
昆布
6
かんぴょう
7
切り干し大根
【1】野菜・果物・穀物
1
水からゆでる野菜と、お湯でゆでる野菜
ジャガイモやニンジンなど、固くて厚みのある根菜類は、お湯からゆでると、外側と中心部の温度に大きな隔たりが生じてしまいます。これではおいしい料理が作れません。そこでこれらの根菜類は、水の状態から少しずつ温度を上げていって
、全体的に均等な煮あがりにします。こうすることでおいしい食感だけでなく、表面の煮崩れも防げるのです。ちなみにジャガイモは50度以上のお湯で煮てしまうと、酵素の働きで固くなってしまい、そうなるとその後どんなに時間をかけても、柔らかくなりません。
一方、葉ものの野菜は、すぐにゆであがるので、お湯でゆでます。特にホウレンソウやコマツナなど、緑色のクロロフィルを成分にもつ青菜は、クロロフィルが熱に弱いため、沸騰したお湯にくぐらせるようにして、すぐに引き上げます。ゆでる時間が長いと、クロロフィルが成分変化して、茶色く変色してしまいます。こうした青菜には塩を入れることで、変色を防ぐことができます。
2サトイモのむき方、煮崩れの防ぎ方
・むき方
「イモを洗うような混雑」という言葉がありますね。この場合、イモとはサトイモを指しています。昔は、たくさんのサトイモを狭い桶の中に入れて、棒でかき回して洗っていたことから、この言葉が生まれたそうです。ではなぜ、このような洗い方をしたのでしょうか?サトイモはぬめり気、いわゆるぬるぬる成分を含んでいます。この成分はサトイモ独自の食感を出しているだけでなく、サトイモが健康づくりに貢献する重要なムチンやマンナン、ガラクタンといった栄養素でもあるのです。棒でサトイモをかき回すのは、料理中にこの成分を外に逃がさないため。サトイモの皮は二重構造で、外皮とすぐその下の内皮があります。棒で洗うと外皮だけがとれて、内皮が残ります。この内皮がサトイモのぬるぬる成分を閉じ込めるため、料理をしてもぬるぬる成分が外に逃げずに、粘り気のあるもちもちの煮ものができるわけです。桶と棒で洗うのは大量のサトイモですから、キッチンで調理するには、タワシで十分です。こするようにして洗えば、外皮を上手にむくことができますよ。
・煮崩れの防ぎ方
サトイモに木製の落し蓋を使うと、蓋の重みで煮崩れする場合が。こういう時は鍋の口の大きさに切った和紙に数か所穴をあけて、サトイモの上にかぶせます。和紙の落し蓋で煮れば、煮崩れが防げますよ。
・サトイモのぬめりをおさえる
サトイモを洗ったら、水分をぬぐって、皮はむかずにラップをしないで電子レンジで加熱します。時間は1個につき30秒ほど。サトイモのぬめりがなくなって料理がはかどりますよ。
3
キャベツをシャキシャキに切る方法
キャベツの繊維部分には甘み成分が多く入っています。これを垂直方向に切ると、甘い部分と繊維の硬い部分がほどよく混じるので、おいしい千切りになります。さらに水にさらすと断面から水分を吸収して、繊維が膨張するため、シャキシャキ感がより一層増しますよ。
4
ジャガイモの皮をつるりとむく方法
ジャガイモはカレーライス、肉じゃが、コロッケ、ポテトサラダと、本当にたくさんのメニューで使われますね。しかし皮をむくのが苦手な人が多いのも事実です。そこで簡単に皮をむく方法をご紹介します。ジャガイモのまわりに1ミリ程度の切込みをつけていき、電子レンジ用の耐熱ボウルにいれます。上からラップをふわりとかけた状態で、中サイズのジャガイモで12分くらいを目安に、電子レンジで加熱します。加熱終了後は、冷水に15秒つけましょう。こうすると加熱されて膨張したジャガイモが急冷されることで、縮んでしまいます。すると皮と中身の間に隙間が生じるため、表面の薄い皮がつるりとむけていきますよ。
・多めの新ジャガはすり鉢で
新ジャガは小粒で皮むきが面倒です。こういう時は
すり鉢にジャガイモを入れて水を注いでこすり合わせると、薄皮が簡単にむけますよ。
5
こんにゃくの味をしみさせるには
煮物に使うこんにゃくは包丁で切ってはNGです。味が中までしみわたりません。おいしい煮物にするには、手で一口大の大きさにちぎること。そうすると切り口が均一でなくなりざらついて、切り口の面積が広がります。その分、味がじわっとしみこんでいくというわけです。さらにおいしくするには、すりこぎなどでたたくとよくしみこみます。
6
涙なしでタマネギを切るには
タマネギやニンニクには、臭いの元である硫化アリルという成分が含まれています。この成分は免疫を高めたり、心身にリラックスを与えたりする健康効果があるのですが、刺激物質のために、皮をむいたりして細胞を破壊すると、気化して目の粘膜を刺激してしまい、それで涙が出てしまうのです。涙を出さないようにタマネギをむくには3つの方法があります。
・水の中でタマネギの皮をむいてから切ると涙が出ない
ひとつは水の中で皮をむくこと。水の中で皮をむいてタマネギを切れば、硫化アリルが水に溶け出るので、目に沁みません。
・半冷凍にしてから切ると涙が出ない
半冷凍すると硫化アリルが気化しにくくなり、切っても目に刺激がないので涙が出ません。
・過熱してから切ると涙が出ない
過熱すると硫化アリルの成分が変化して、刺激臭がなくなります。切る前に電子レンジで1個につき600ワットで1分ほど過熱すると、タマネギを涙なしで調理できます。
7
タケノコをおいしく料理
・
おいしいタケノコは
店頭で皮がまだ湿り気が感じられるタケノコは、とれてからまだ間がない新鮮な状態です。切り口が白くてみずみずしいタケノコも新鮮な証拠。切り口が茶色いものは時間が経っていて古びています。
・
皮付きのままゆでます
タケノコは皮付きのままゆでましょう。包丁で穂先を切り落としたら、縦に深く切れ目を入れます。こうすると熱が中まで通りやすいのです。そのまま皮ごとゆでましょう。
・
アク抜きの方法
タケノコはアクによるえぐみがあるので、アクを除かないと、おいしい料理はできません。昔からゆでるときに、米ぬかをひとつかみ入れるのが、えぐみとりの定石です。ぬかの酵素がアクをとってくれると同時に、固いタケノコを柔らかくしてくれます。
・
タケノコの土佐煮の極意
繊維が硬くて、火が通りにくいタケノコに、ダシや醤油を上手にしみこませるのは至難のわざです。そこで煮たてた後に、最後にカツオ節を加えて加熱すると、風味がぐっと増しておいしさが引き立ちます。そう、追いガツオがミソなんですね。
8
レモンなどの輸入のかんきつ類のワックスは塩で落とす
レモンをはじめとする輸入のかんきつ類は、表面についているワックスなどの残留物質が気になるもの。こういう場合は、表面に塩をまぶして、やさしくこすり洗いをしましょう。塩が研磨剤の役割をして、ワックスをとりのぞいてくれますよ。最後に水で洗い流せば、残留物質も皮についていた汚れとともにスッキリ落ちています。
9アルミホイルでごぼうの皮むき
皮においしさが感じられるごぼうは、根こそぎむくのはもったいないもの。泥を落としたら、アルミホイルを丸めて軽く皮をこすりましょう。そうすると皮が薄くむけるため、風味を損ないません。
10セロリの筋をとる
セロリは小口切りや斜め切りの方が口当たりの良い味に。氷水に浸せば歯触りの良い食感が。固い筋も、根元から包丁を入れて筋を葉の方へ引けば、簡単にとることが。
11アスパラガスはピーラーで皮をむく
根元から3センチほど上の部分は筋もあってかたいところですね。でもピーラーで表面の皮をむいて料理すればおいしく食べられますよ。
12長いもの皮むき
長いもの皮むきはお手軽です。スプーンの縁を使ってこそげ落せばきれいにむけます。包丁を使うより簡単ですよ。
13もみほぐしてパセリをみじん切り
保存袋に入れて冷凍したパセリを手でもみほぐせば、みじん切りができてしまいます。これも包丁いらずの技です。
14湯むきトマトの作り方
ヘタのない方に包丁で軽く十文字を入れたら、ヘタにフォークをさして熱湯の入った鍋に。包丁目を入れた皮をKるくひっぱれば皮がするするはがれます。
15おろし大根をおいしく
大根をおろすときはおろし金に大根の切り口を直角に当てて、引っかく要領でスピーディにおろしましょう。直角に当てると繊維が細かく切れるため、歯ざわりがよい大根おろしに。また大根の根っこの部分は他の部分よりも辛み成分が増えています。熱をくわえるとこの成分はまろやかになる性質があるため、マイルドな味におろしたい時は、熱湯に3分ほどつけておきましょう。
16色鮮やかにとうもろこしをゆでるには
とうもろこしのひげには色素成分が含まれているので、とうもろこしをひげと一緒にゆでると、色鮮やかに仕上がります。ひげには利尿効果もあり、健康にもよいのです。
17れんこんのアク抜き
れんこんやゴボウなどの根菜は、皮をむいた後、小さじ1強の酢を1カップの水で薄めたものの中につけてアクを抜きます。酢の作用で漂白効果も。
18サツマイモのアク抜き
サツマイモは切って放置しておくと、すぐに黒く変色してしまいます。切ったらすぐに水につけて、水が白濁しなくなるまで、3回ほど水を取り替えながら30分ほど水にさらしましょう。
19かぼちゃは砂糖で下ごしらえ
かぼちゃの下ごしらえは砂糖で行います。種とワタを除いたら、ひと口大に切って、鍋の中でまんべんなく砂糖をふりかけます。そのまま10分ほど放置しておくと、料理する時に味がしみこみやすいのです。
20しおれたレタスは50度のお湯で復活
レタスは日持ちがしにくい野菜ですね。冷蔵庫の中ではしおれてしまいがち。でもしおれてしまったそんなレタスをシャキシャキに復活させる方法があります。それは50度洗いという裏技です。50度のお湯に20秒ほどつけるだけでレタスに鮮度が戻るのです。これは熱により開いたレタスの気孔が水分を吸収するため。それでみずみずしくなるのです。また50度の熱で硬くなったレタスの繊維のペクチンが、おいしい歯ごたえを生むという効果も。50度洗いはキャベツなどの葉物野菜にもぜひ使ってみて下さい。水温を50度にするには、水温系がなくても大丈夫です。沸騰したお湯は100度ですから、同じ量の水を足せば50度に。
【2】魚
1
魚のうろことりに大根
魚のうろこは大根のヘタなどの切れ端を使うと、簡単にとれます。ヘタを45度くらいの斜めに切って、切ったその先端をうろこに押し当てて、尾の方から頭に向かってすり上げます。すると大根の先端がうろこと身の間に入って、うろこが飛び散らずにはがれるのです。これはうろこが大きめのタイなどの魚におすすめです。
また包丁の背を立てて、尾っぽの方から頭にむけてうろこに逆らうようにこすってもとれますよ。
2
イカの皮むきに野菜ネットまたは酢
・野菜ネットでつるりん
野菜やみかんが入っていたネットを使って、イカの皮が短時間できれいにむけますよ。イカの胴についているあの三角形はエンペラですが、これを引っ張ると、大きな皮だけは引きはがせます。しかし残った薄い皮はとりずらいもの。そこで残った薄皮に野菜ネットをあててこすると、細かい皮まで短時間でできれいにむけます。
・酢でラクラク
また酢を使う方法も。イカの皮は4層構造ですが、2層目までは簡単にはがせます。しかし3層目は4層目とくっついていて、新鮮なイカ以外はむくのが難しくなります。イカの天ぷらなどにすると、油が跳ねるのは、この3層目と4層目の皮の間に、水分があるため。3層目までをとってしまうと、油跳ねがありませんよ。酢で皮をとる方法は簡単です。開いたイカをボウルやバットに入れて、酢大さじ1杯をイカの表側(皮がくっついている方)にふりかけて、3分ほど放置します。酢にはタンパク質を固める作用がありますから、酢がかかったイカの皮はコラーゲンというたんぱく質でできているため、皮の部分が凝固して縮みます。するとイカの皮が本体からはがれやすくなるのです。イカの皮は新鮮なうちははがれやすいのですが、店頭のパックものは日数もたっていて、なかなかむきにくいものです。そういう時はぜひ試してみて下さいね。
3
アサリの砂抜きは塩水にアサリをつける
アサリなどの貝類はひと晩塩水につけて、砂を吐かせてから調理します。アサリは餌もろともに砂を体内に取り込む習性がありますが、塩水が海水に似た成分だと、安心して水を吸ったり吐いたりしながら、砂を体外へ排出します。アサリは海底で20度くらいの水温の砂の中に生息しているそうです。アサリの砂を吐き出させるには、ボウルに水温20度くらいの水を1リットル入れて、35gの食塩を混ぜ、海水に近い濃度3.5%の塩水を作ります。ボウルの塩水の中にアサリを入れたらふたをして、砂の中にいるように暗くします。これでアサリは元気に砂を吐き出します。このまま1時間ほど置いておくと、砂はほとんど吐き終わっています。
4湯引き
タイのあらやぶりなど、脂の多い魚を料理する時は、塩をふりかけたあと、熱湯をかけて生臭さをとります。同時に余分な脂もとれるので、おいしく調理できますよ。
5振り塩
魚の身をしめて、臭みのもととなる余分な水分をとるために、魚を調理する20分ほど前に魚に振り塩をします。ボウルの上にザルを置き、その上で塩を振ります。こうすると塩で出た魚の水分が、そのまま下のボウルに落ちていきます。まな板だと出た水分が魚に戻って、魚が生臭くなるのです。なお煮魚の場合は、2時間前にこれを行って下さい。
6塩抜き
塩鮭など塩漬けの魚の塩気が強い場合は、薄い塩水につけると塩分が抜けます。その際茶がらをひとつまみいれます。タンニンの働きで魚のうま味が保てます。
7解凍
冷凍した魚は、自然に解凍させるのがおいしさを保つコツです。しかし時間がない場合は、流水を利用します。冷凍魚をポリ袋に入れたらボウルへ置いて、30分ほどボウルの中へ水道の水をかけながして解凍します。
【3】肉・卵
1
たたいて肉を柔らかく
肉をたたいて繊維をほぐし、柔らかくするには「肉たたき」がなくても握りこぶしで行えば十分です。こうすることで肉の弾力が保てて、口当たりがよくなります。
2硬い肉にはサラダオイル
調理の2時間ほど前に、肉にサラダオイルをかけておけば、繊維が柔らかくなりおいしい味わいに。ステーキなどの料理をする場合はぜひ。
3硬い肉は果物につけこんでも
パイナップルやキウイなどの果物に肉を漬け込むと、酵素の働きで固い肉が柔らかいジューシーな肉にランクアップします。果物はスライスした状態にしておきます。
果汁の状態でもOKです。
4筋切り
肉の筋を切ると、調理中の肉の縮みを防げるため、火の通りがよくなります。また見た目も美しくなりますよ。切る部分は赤身と脂肪の間にある白い筋。2センチから3センチ間隔で切っていきますが、包丁の刃先で脂肪ごと押し切っていきます。
5長時間煮込む
肉の煮込み料理のコツは、サッと炒めて、水(またはスープ)から煮ることです。水から煮て煮込むことで、溶け出た肉のうま味が肉へ再度吸収されて、うま味が増しますよ
6砂糖を加えて煮込む
砂糖を加えた肉料理は、豚の角煮のように肉がしっとり柔らかくなるのが特徴です。これは砂糖が水分との肉のたんぱく質を結びつけるため。うま味もぐっと増しますよ。
7
出がらしのお茶でレバーの臭みとり
レバーを冷ました出がらしのお茶の中に、10分ほど漬けておくと、生臭さが消えます。これはお茶の成分カテキンの消臭力によるもの。牛乳に10分つけても臭みがとれます。
8
うずら卵の殻むきは空き瓶を使う
うずら卵の殻は、むくのが面倒ですね。それはゆでた卵の白身と殻がくっついているためです。そこで簡単にむく方法が。ゆでた卵は空き瓶にいれて、ふたをします。そしてやさしくシェイクしましょう。そうすると卵に小さなひびが入って、ぐんとむきやすくなりますよ。
【4】乾物
1
干ししいたけを砂糖水で戻すと早く戻る
早く料理に使いたいと、干しシイタケを熱湯で戻すと、失敗してしまいます。肝心の成分が抜けて、うま味が落ちてしまうのです。干ししいたけは水でじっくり戻すのが基本です。おいしく早く戻したいときは、昔から砂糖水をひとつまみ入れた、ぬるま湯につけていました。砂糖の浸透圧の働きにより、味や香りを損なうことなく、おいしく戻せるのです。昔の人は理屈は知らなくとも、これを体験で知っていたのですね。
・
おいしく戻すには冷水を使う。
シイタケは生よりも干したものの方がおいしいというのが定説です。これはグアニル酸といううま味成分が、干すことで約十倍に増えるからだそうです。しかしシイタケにはこのせっかくのうまみ成分を分解してしまう酵素も含有しており、20度から60度の水ではこの酵素が働いて、シイタケのうまみを消してしまいます。そこでこの酵素が働くことがない10度以下の冷水に干しシイタケをつけて、冷蔵庫の中に一昼夜おいてじっくり戻せば、理想的なうまみが生まれます。また干しシイタケ独特のあの香りのもととなる成分、レンチオニンも、この水で戻す中で生まれます。
ちなみにもっと手早く水で戻したいという時は、干しシイタケを砕くと、水でもどす表面積が広がるので、ただ水で戻すよりも時間の短縮になります。
なお干し椎茸は、加齢により起こりやすい骨粗しょう症予防が期待されている食品です。骨粗しょう症はカルシム不足が原因ですが、このカルシウムはただとればよい、というものではありません。カルシウムは体に吸収しにくい性質があり、摂取することと同様に、いかに吸収させるかも大切なのです。効率よく吸収させるにはビタミンDが不可欠で、干しシイタケにはこの成分がたっぷり含まれています。
2
春雨はぬるま湯で戻せば簡単に切れます
乾燥した状態では、春雨はばらついて、扱いにくいもの。そのまま切ると飛び散ってしまいます。そこでひと知恵。春雨をざるにのせて湯をかけ、2分ほどほぐしてからざるをあげて水を切り、キッチンバサミできれば、楽に切ることが。水切りも同時にできるので、時間が短縮できますよ。
3
乾物の戻し汁をだしに利用する
乾物のしいたけをはじめ、切り干し大根やかんぴょうなどの戻し汁の中には、料理のうまみを引き立てるうま味成分が豊富に含まれています。煮物や鍋、汁ものやスープなどに利用すると、とても便利ですよ。
4
つきたてのお餅が包丁にくっつかない切り方
大根を切った包丁でつきたてのお餅を切ると、包丁にお餅がくっつかず、切りやすいのです。これは大根のもつ、デンプンを分解するジアスターゼ酵素の働きによるもの。つきたてのお餅はデンプンがアルファ化されていて、とても粘り気があります。ジアスターゼがこのデンプンを分解するため、お餅の粘り気が弱くなるのです。大根とお餅を交互に切れば、包丁がお餅にくっつくストレスから解放されますよ。
5
水洗いは厳禁の昆布
昆布を水洗いすると、せっかくのうま味成分が流れ出してしまいます。表面に吹いたようなあの白い粉が「マンニット」と呼ばれるうま味成分です。昆布はぬれた布巾でふくだけでOK。あとは水に浸してだしをとりましょう。
6
塩もみが戻し方の秘訣のかんぴょう
かんぴょうは手早く水洗いをした後、塩もみをします。弾力が出るまで続けましょう。塩もみには煮崩れ防止の面や風味を増す効果も。塩もみを終えてからお湯に浸せば、スピーディに戻すことが。
7
勝負は10分の切り干し大根
水に浸す前に軽くもみ洗いをすませておきましょう。そうすると水で戻すとき、大根が水を吸収しやすいので、短時間でおいしい切り干し大根に戻せます。長い時間をかけて水に浸すと大根のうまみが水に溶けだして、特有の風味を失うことに。水に浸すのは10分以内で。