手ぬぐいは魔法の布?
いま日本手ぬぐいが注目されています。その理由は美顔効果にあります。手ぬぐいの生地には繊維の目が細かく詰まっていて、古い角質を落として、肌のくすみを解消するピーリングの働きがあるのです。肌に優しい天然石けんを泡立てた手ぬぐいで顔を洗うと、肌がツルツルに。しかもメイクまで落としてくれるので、自宅でできる手軽な美容法として人気を集めています。しかしそれだけではありません。手ぬぐいの持つ使い勝手さも、また人気の秘密です。
手ぬぐいは和晒(わざらし)という木綿の加工技術で作られています。生地の繊維が細かいので肌に柔らかく、高い吸水性と速乾性が特長です。手ぬぐいはその薄さから小さくたたんだり、好みのサイズにカットできたり、工夫次第で、手ぬぐいの特長を利用した、いろいろな使い方が楽しめます。そんな手ぬぐいの持つ創造性が、いま注目されているようです。
枕カバー、前掛けに
手ぬぐいの吸水性とさらりとした肌ざわりは、夏の枕カバーとして最適です。お気に入りの手ぬぐいを広げて、枕を包んでみましょう。寝汗をかいた夜でも、手ぬぐいが汗を吸収してくれてスヤスヤ。洗ってもすぐに乾くので毎日使えます。
この乾きが早い手ぬぐいで作った前掛けは、雑菌が繁殖しにくいので衛生的です。濡れた手もささっと拭けて、台所仕事がはかどります。手ぬぐい前掛けの作り方は簡単です。手ぬぐいの二か所の角に、それぞれひもを結びつけるだけ。このひもを腰に回して前で結び、前掛けとして使います。なお家の中でも戸外でも、水仕事時には手ぬぐいをズボンのベルトやベルト通しにかけておくと、すぐに手が拭けて便利です。
手ぬぐいを洗う際は洗濯機ではなく、手洗いがおすすめ。手ぬぐいの柔らかさと自然な風合いが維持できます。洗った後は日干しにすると色褪せの恐れがあるので、陰干しにして乾かしてください。
手ぬぐいで部屋を飾る
手ぬぐいは工夫次第で、部屋のムードを高める和の装飾品に。最近は和柄だけでなく、洋風やポップ調など、手ぬぐいのデザインもさまざまです。お気に入りの柄をテーブルの上に置き、上から透明なビニールクロスをかければテーブルランナーに。二つ折りにして、ランチョンマットとしても使えます。今では手ぬぐいは百均でも買えるので、季節や気分に応じた使い分けが気軽にできますね。
手ぬぐいで作ったのれんは、部屋の雰囲気をがらりと変えてくれますよ。生活を一新して、気分転換をはかりたいときにおすすめです。手ぬぐいを縦にして、その上端を折り返して縫ったものを二本用意します。折り返しの中につっぱり棒を通して、部屋の入口に固定すれば出来上がり。裁縫は面倒だという方には、上端をカーテンクリップではさむ方法も。手ぬぐいは同じ柄ではなく、異なったデザインをアレンジしてみると楽しいでしょう。
また額に入れて布製アートとして飾るほか、タペストリーとして部屋に吊るのもおしゃれです。手ぬぐいはアイデア次第で、私たちの暮らしを楽しく彩ってくれる、一枚の魔法の布なのです。