−目次−
〔1〕
乾燥のさせ方
〔2〕
煎じ方
体に不調を感じたとき、最近は現代医学の化学薬品だけではなく、昔から体に良いと言い伝えのある、野に咲く薬草を試す人も増えているそうです。薬草は効果が穏やかで、先人の体験で安全性も実証済みの「おばあちゃんの知恵」の妙薬。しかも代金無料で、すぐ近くの野原や空き地に繁茂しています。いわば野原は無料の薬屋さんです。あなたも健康維持に、病気の癒しに、天からの贈り物、野の薬草を試してみませんか?
【1】薬草の乾燥のさせ方
薬草を採集したら、それを煎じて用いるためには、薬草を洗って切り、乾燥させなくてはいけません。その方法をご紹介します。
(1)薬草を洗う
葉、茎、根、樹皮などは水で洗ってゴミやほこり、虫などをきれいに取り除きます。その際水だけで洗って、洗剤は使わないこと。花は花粉の成分に価値があるので、花の部分は洗わないようにします。
(2)切る
採集した薬草を2〜5センチくらいに切ります。
(3)陰干しする
切った薬草はざるやござの上に並べて陰干しをします。その際、地面の湿気が乾燥を邪魔しないように、地面から1.5メートルほど高い場所で乾燥させてください.下の写真は5メートルの高さのベランダにすのこを敷いて陰干ししています。なお樹皮や根は日干しでもOKです。薬草を洗った後、洗濯ネットに入れて脱水機にかけてから干せば、時短になりますよ。
・乾燥の目安
茎や葉を握ってみて、ポキポキ音がして折れたり割れたりするまで乾燥させます。
・生葉でもOK
乾燥したものが切れた場合は、生のものでも大丈夫です。その際、水分を多く含んでいるものは量を多めに用います。
(4)火にかけ水分を飛ばす
陰干ししたとしても、水分が残っていると、保存中にカビが生えたり腐乱したりして、破棄しなければならなくなるので、水分は徹底して蒸発させましょう。
鍋に陰干しした薬草を入れて弱火にかけて、手でかき混ぜながら水分を飛ばします。蒸発する水分を感じなくなったらすぐにやめます。
(5)密閉容器で保存する
空気を遮断する密閉容器に入れて保存します。乾燥材を入れておくと安心です。
【2】薬草の煎じ方
薬草を用いる方法は煎じる、薬種にする、料理に用いるなどいろいろありますが、ここでは乾燥させた薬草を煎じて飲む方法をご紹介します。
(1)分量
1日の分量は乾燥させた薬草10gから15gです。
(2)煎じ方
1日分量をティーバッグにいれます(最後にこす手間が省けます)。ティーバッグを500tの水を入れた土鍋かやかんに入れます。それが半分の量になるまで煎じます。必ず水から煎じてください。お湯から煎じると効果が激減します。また火加減は沸騰するまでは強火で、沸騰した後は弱火で煎じていきます。ティーバッグを使わない場合は、最後に清潔なさらしやろか紙でろかしてください。
(3)複数の薬草を用いる場合
体に症状がいくつかあり、数種類の薬草を使いたい時は、一番大きな悩み用の薬草を一番多く用いて、全部の薬草の分量の合計を20g以内におさめます。
(4)飲み方
・煎じた液を朝昼晩と三等分して飲むか、朝晩と二等分して飲むようにします。
・飲むタイミングは空腹時がお薦めです。
・15歳以上は説明の分量でOKですが、7歳から14歳は大人の半分の量、3歳から6歳は四分の一、乳児は八分の一にします。
・お年寄りは消化吸収力がよわいため、薄めて飲むようにします。