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暮らしに役立つおばあちゃんの知恵袋

TEL. 090-1211-0042

〒879-1505大分県速見郡日出町
川崎1612番地1

自宅で薬湯

薬湯を楽しむ女性の写真
冷えは万病のもとといいますが、お風呂は冷えた体を温める一番の近道です。血行が高まれば体の新陳代謝も盛んになり、元気が出てきます。お風呂も通常のお湯だけでなく、様々な薬効を持つ身近な食材や植物を薬湯として用いると、健康と美容に貢献するうち風呂となります。その作り方と効果をご紹介。

−目次−
【1】野菜湯
 (内容)ショウガ湯・パセリ湯・セロリ湯・大根葉湯・ニンニク湯

【2】果実湯
 (内容)ゆず湯・ミカン湯・レモン湯

【3】薬草湯
 (内容)よもぎ湯・アロエ湯・菖蒲湯・ドクダミ湯・桃の葉湯・桜湯・柿の葉湯・ハト麦湯

【4】ハーブ湯
 (内容)バラ湯・カモミール湯・ミント(ハッカ)湯・ローズマリー湯・ラベンダー湯

【5】その他
 (内容)塩湯・炭湯・日本酒湯



【1】野菜湯
■ショウガ湯
ショウガの写真
ショウガの歴史は古く、万葉集や魏志倭人伝にも登場する野菜です。別名をハジカミともいいます(山椒をそう呼ぶ場合もあり)。ショウガの辛味成分には抗菌作用があり、食中毒予防として昔から用いられてきました。唾液や胃液の分泌を高めて、健胃作用や食欲増進、風邪をとめると昔から伝えられてきました。
・効能
体を温めるので冷え性をはじめ、鼻水や鼻づまり、頭痛などの風邪の時の症状に。また神経痛や筋肉痛、うちみ、ねんざ、肩こりにも。
・入り方
ショウガ50gを皮付きのまますりおろし、布巾でこしたしぼり汁を沸かしたお湯の中へ入れます。または150gのショウガを輪切りにして布袋か洗濯ネットに入れて、沸かした湯に入れます。
・注意
肌の弱い人は刺激を感じたら湯で薄めるか中止して。



■パセリ湯

パセリの写真
パセリは南イタリアかアルジェリアが原産といわれており、日本へは18世紀末にオランダ人により長崎で紹介されました。生葉の青汁には消化不良、食欲不振など胃への健康作用のほか、病後の体力を回復したり貧血を改善し、生理不順を改善するなどの効果があるといわれています。
・効能
消臭効果に優れて、ワキガの体臭によく、また疲労回復、精神安定にも効果があります。
・入り方

葉や茎などパセリ全部を使用します。パセリ2束を生のまま洗濯ネットや布袋に入れて、沸かしたお風呂に入れます。できれば水を張ったお風呂の中に入れてから湯を沸かせば、効果は高まります。



■セロリ湯

セロリの写真
セロリの原産地はヨーロッパから地中海沿岸地方と推測されています。16世紀の終わりに、朝鮮半島を経て中国から我が国へ伝来しました。文禄・慶長の役で、加藤清正がニンジンの一種と騙されて日本に持ち帰ったという説もあります(清正ニンジン)。食生活が洋風化していった戦後の昭和30年代に、わが国で広まり始めました。薬用には茎葉を用います。香り成分のアピインやセリニンには、ストレスをおさえて精神を安定させたり、血圧の上昇を抑えるほか、食欲を高める働きがわかっています。
・効能
セロリには疲労回復の成分、ビタミンB1やB2が多く含まれています。またセロリの葉のピラジン、アピイン、セネリンといった香り成分には血流やストレスを改善して、頭痛やイライラを緩和する働きが。
・入り方

生のまま茎や葉を3センチほどに切って、布袋から洗濯ネットに入れて、沸かしたお風呂に入れます。できれば水を張ったお風呂の中に入れてから湯を沸かせば、効果は高まります。



■大根葉湯
大根葉の写真
エジプトのピラミッドの碑文に「ハツカダイコン」が建設労働者の食物の一つとして記してあるという話があるほど、大根は歴史が古い食品です。おろすとできる辛味成分シニグリンが意を刺激して食欲を高めます。葉にはビタミン類が豊富で、ビタミンC、カロテン、葉酸等が含まれています。
・効能
体をしっかり温めます。神経痛やリュウマチ、腰痛、痔にも効きます。
・入り方
大根葉をカラカラに陰干ししたら、洗濯ネットか布袋にいれて水を張っていない浴槽へいれます。そのあとお風呂に水を張って湯を沸かします。



■ニンニク湯
ニンニクの写真
1入り方

小玉サイズのニンニク3個から4個の皮をむき、蒸したもの(または電子レンジで加熱)を布袋に入れて浴槽へ。お風呂は水から沸かします。
2効能
体を温めて冷え性予防に。神経痛やかゆみ、痔に。
3注意
肌の弱い人は刺激を感じたら湯で薄めるか中止して。



【2】果実湯
■ゆず湯
ゆずの写真
ゆずの原産地は中国の揚子江上流というのが通説です。海外でもこの果実は「ユズ」と呼ばれています。免疫を高めて疲労を回復すし、美肌を作るビタミンCを多く含んでいます。特に皮のビタミンCは果汁の4倍近くもあります。
・効能
12月の冬至に柚子湯に入ると、その冬は風邪知らずと言われているほど、体が温まります。冷え性改善に効果的。また美肌効果もあり、ひび、あかぎれ、腰痛、神経痛に。
・入り方
実を輪切りにして湯に浮かべます。または鍋料理で残った皮を布袋に入れてお湯へ。
・注意
肌の弱い人は刺激を感じたら湯で薄めるか中止して。



■ミカン湯
・入り方
ミカンの皮の写真
皮を天日で干して乾かします。両手に盛れるくらいの量を布袋か洗濯ネットに入れて沸かしたお湯に入れます。
2効能
体を温めて冷え性予防に。美肌を作り、神経痛、リウマチに。



■レモン湯
レモンの写真
・入り方
レモン1個に塩をつけ、たわしでこすり洗いをして熱湯をかけた後、再度こすり洗いをすると農薬が取れます。
これを輪切りにしてお湯に浮かべます。
・効能
体を温めて冷え性防止に。美肌効果や肉体疲労にも。
・注意
肌の弱い人は刺激を感じたら湯で薄めるか中止して。



【3】薬草湯
・よもぎ湯
ヨモギの写真
日本在来種の植物で、原産地は中央アジアの乾燥地帯といわれています。生葉は止血効果があり、乾燥葉を茶として飲用すると、浄血作用や貧血改善、下痢、胃への健康効果があるといわれています。
・効能
体を温めて冷え性に。美肌や筋肉痛、腰痛、神経痛、関節の痛み、痔に。どの痛みにも効く。
・入り方
陰干しして乾燥させたよもぎ2つかみを布袋か洗濯ネットに入れて浴槽へ。お風呂に水を張って水から沸かします。



■アロエ湯


アロエの写真
アロエは紀元前のエジプトやギリシャなどでその利用が確認される植物です。日本には鎌倉時代に伝わったとされています。「医者いらず」といわれてきたキダチアロエは火傷、切り傷、虫刺されに外用として用いるほか、胃腸痛や便秘として内服する用途も。
・効能
美肌効果や切り傷、やけど、痔、安眠効果に。
・入り方

生葉4本を細かく刻んだら、布袋か洗濯ネットに入れて沸かしたお湯の中へ。



■菖蒲湯
菖蒲の写真
1入り方
布袋に入れて沸かしたお湯に入れる。よく洗ってそのまま浮かべても。
2効能
体を温めて冷え性予防に。リラックス効果や美肌効果も。打ち身や神経痛、皮膚のトラブルにも。



■ドクダミ湯
ドクダミの写真
1入り方

陰干しして乾燥させたドクダミ2つかみを、布袋に入れて、お風呂は水から沸かします。
2効能
体を温めて冷え性予防や美肌効果が。ニキビや吹き出物の肌のトラブル、たむしやわきがに。



■桃の葉湯
桃の葉の写真
1入り方

30枚の葉を布袋に入れて、鍋で煮だします。その汁とともに葉の入った布袋もお風呂に入れます。
2効能
体を温めて冷え性予防に。あせもや湿疹の肌のトラブルに。



■桜湯
桜の花の写真
1入り方

花びらを浮かべます。
2効能
リラックス効果が。



■柿の葉湯

柿の葉の写真
柿は奈良時代に中国から渡来したと考えられています。柿の葉には花粉症や糖尿病によいとされるポリフェノールや、ビタミンCが豊富に含まれています。
・効能
美肌や肌荒れにすぐれています。
・入り方

30枚程度の葉を布袋か洗濯ネットに入れて、沸かしたお湯の中に入れます。



■ハト麦湯

ハト麦の写真
1入り方

実を干して乾燥させ、3にぎりほどの量を布袋に入れて鍋で煎じてから、煮汁とともに袋ごとお湯に入れます。
2効能
体を温めて冷え性予防。美肌効果。神経痛やリウマチに。



【4】ハーブ湯
■バラ湯
バラの写真
1入り方
花びらを浮かべます。
2効能
リラックス効果が。



■カモミール湯
カモミールの写真
1入り方

乾燥させた花ひとつかみを布袋に入れて、沸かしたお湯に入れます。
2効能
リラックス効果や美肌効果が。湿疹や安眠にも。



■ミント(ハッカ)湯
ミントの写真
1入り方

生の茎や葉を布袋に入れて(乾燥させたものでも可)沸かしたお湯に入れます。
2効能
体を温めてリラックス効果が。肉体疲労や風邪、頭痛の時にも。



■ローズマリー湯
ローズマリーの写真
1入り方
乾燥した葉ひとつかみを布袋に入れて、沸かしたお湯の中へ入れます。
2効能
リラックス効果が。

■ラベンダー湯
ラベンダーの写真
1入り方

乾燥させた花ひとつかみを布袋に入れて、沸かしたお湯に入れます。
2効能
リラックスや頭痛、安眠効果が。



【5】その他
■塩湯

塩の写真
塩湯とは湯に塩を溶かしたお風呂です。塩湯の塩分が毛穴をふさぐため汗の蒸発をおさえることで、体内の保温力が高まって湯冷めしにくい「熱の湯」の特長があります。
・効能

体を温めて冷え性予防。神経痛、関節痛、筋肉痛に。
・入り方

ぬるめのお湯にひとつかみの塩を入れます。精製塩ではなくミネラルたっぷりの天然塩がお奨めです。



■炭湯

炭の写真
1入り方

炭500gを布袋かネットに入れて浴槽へ。お風呂は水から沸かします。
2効能
体が温まり冷え性予防に。美肌をつくります。



■日本酒湯
日本酒の写真
お風呂に日本酒をいれて入る入浴法です。日本酒の飲用効果は血行促進や疲労回復、美肌効果が認められていますが、入浴に使うことでも同類の作用があるといわれています。
・効能
体を温めて冷え性予防、美肌効果、肉体疲労に効果があります。
・入り方

熱めのお湯にして700tを入れます。